結論からいうと、ささみはストラバイト結石に注意!さつまいもはシュウ酸カルシウム結石に注意が必要です。
結石とは、尿の中のミネラルとタンパク質が結合して石のような塊になったもので、尿道、膀胱、腎臓にできるものを「尿路結石」と言います。
犬が、おしっこの際に悲鳴をあげて痛そうな声を出したり、何度もおしっこのポーズを取るのに出た形跡がない・・・という場合は、尿路結石を疑ってください。
実はこの結石、食べ物が原因でできるんです。
ささみやさつまいもは犬でも問題なく食べられますが、与えすぎると結石の原因となるので注意が必要です。
結石ができる原因、症状、対策についてまとめてみました。
目次
最初に知っておきたい!犬の結石を引き起こす3つの原因
犬が結石を引き起こす原因は、特定の成分の過剰な摂取、栄養素の分解が不十分だったことによるもの、尿路内での細菌の増殖があります。
1.特定の成分の過剰摂取
ドッグフードや食べ物に含まれる「リン、マグネシウム、カルシウム」を過剰に摂取したことによって結石を引き起こします。
普段からプレミアムドッグフードを与えていれば、添加物を過剰摂取してしまうようなことは避けることが出来ますよ。
2.栄養素の分解が不十分だったことによる結石化
食べた物は、消化酵素により栄養素に分解されますが、何らかの影響で分解が不十分な場合、結石を引き起こすことがあります。
3.尿路内での細菌の増殖
おしっこを我慢したり、水分をあまり取らないでいると、膀胱内に細菌が繁殖して膀胱炎になります。
膀胱炎からアルカリ尿になり、結石が発生することがあります。
大部分の尿路結石は毎日の食事によって作られる
水質は地域によって違いがあり、マグネシウム/カルシウム比が低い水は結石が発生する原因になります。
また、緑黄色野菜の不足は、結石が発生する原因になります。
食事に欠かせないものも結石の原因になるんですね。
尿路結石はできる場所によって名称と症状が異なる
尿路結石は、発症する原因やできる場所により治療方法が異なります。
泌尿器は、尿を作る腎臓、腎臓から膀胱に尿を移す尿管、尿を貯めておく膀胱、尿を排出する尿道の4つで構成されています。
それぞれの器官にできる結石について調べてみました。
1.腎臓にできる腎結石
腎臓内にある腎盂(じんう)に結石が発生した状態を腎結石と言います。
大きな結石ができると急性腎不全を発症することがあります。
犬種では、ヨークシャーテリア、プードル、シーズー、ミニチュアシュナウザーなどです。
腎結石の原因について
尿路(尿が通るところ)への細菌の感染から起こる腎盂腎炎、食事の偏りから尿がアルカリ性や酸性になったことや遺伝によって起こります。
他の病気の検査をしているときに発見されるケースが多いのが特徴です。
腎結石の症状について
血尿、嘔吐、元気がない、食欲低下が主な症状です。
2.膀胱と腎臓を繋ぐ管にできる尿管結石
尿を腎臓から膀胱へ送る管(尿管)にできる結石です。
尿管結石の原因について
腎臓にできた結石が、尿と一緒に尿管に移動して、尿管結石になります。
尿管結石の症状について
細い管なので、結石が尿管を傷つけて強い痛みが起こります。
このため、うずくまったり、触られるのと嫌がったりします。
血尿が出たり、結石が管をふさぎ、尿が出にくくなったりします。
3.膀胱にできる膀胱結石
おしっこを溜めておく膀胱にできる膀胱結石は、尿路結石の中で一番多く発症しています。
膀胱結石の原因について
尿路内に発生した菌が繁殖してできます。
水をあまり飲まない犬や、ミネラルを多く含むおやつやサプリメントを多く取っていると起こる確率も高くなります。
膀胱結石の症状について
元気がない、熱がある、頻尿、尿が濁っている、おしっこの時悲鳴を上げるという症状があります。
4.尿道に石が詰まる尿道結石
尿道は、膀胱に溜まった尿を体外に排出する器官。
尿道が細い、オスの方ができやすいと言われています。
尿道結石の原因について
尿道結石は、膀胱にできた結石が尿と一緒に尿道を通ることで起こります。
尿道結石の症状について
おしっこをしようとしているのに、出ていない。
結石が尿道を傷つけているので、出たとしてもピンクや赤い色をしているという症状がみられます。
犬の結石には4種類あり原因となる野菜・食べ物は異なる
結石は、ミネラルとタンパク質が結合してできるので、食べ物が大きく影響します。
どの食べ物が原因となっているか調べてみました。
以上の4つの結石について解説します。
1.シュウ酸カルシウム結石の原因となる野菜・食べ物とは
- さつまいも
- ほうれん草
- レタス
- ちんげんさい
- ブロッコリー
- バナナ
- 紅茶
シュウ酸は、カルシウムと結合して便として排出されます。
腸で吸収しきれなかったシュウ酸が、尿に含まれるカルシウムと結合してできるのが、シュウ酸カルシウム結石です。
尿が白っぽかったらシュウ酸カルシウムが増えているサインです。
できやすい犬種は、ミニチュアシュナウザ―、シーズー、トイプードルなどです。
シュウ酸を多く含む食べ物・野菜(さつまいも・ほうれん草)
シュウ酸はほとんどの食べ物に含まれていて、特に、ほうれん草、レタス、チンゲン菜などの葉物や緑茶に多く含まれています。
他にさつまいも、ブロッコリー、バナナ、紅茶などがあげられます。
2.ストラバイト結石の原因となる野菜・食べ物とは
- ささみ
- 煮干し
- かつお節
- パルメザンチーズ
- 干しエビ
- おやつのジャーキー
- ほうれん草
- 大豆
- 小豆
- ひじき
- アーモンド
- ピーナッツ
ストルバイトは、「リン」と「マグネシウム」が基になってできる結石のことです。
リンやマグネシウムは、尿がアルカリ性に傾いていると溶けずに結合し結石を発症してしまいます。
ストラバイト結石には、クランベリーの尿を”酸性化して細菌が増えるのを抑える”という特徴を活かし、積極的に与えてみるといいですよ。
リンを多く含む食べ物(主にささみ)
リンは、筋肉や骨を作るために必要な栄養素です。
リンは主に肉類に多く含まれているので、手作りフードやドッグフード以外に肉を与える場合は、過剰摂取にならないように気を付ける必要があります。
特に多く含まれる食べ物は、煮干し、かつお節、パルメザンチーズ、干しエビ、おやつのジャーキー(特に鶏ササミが原材料)です。
マグネシウムを多く含む食べ物・野菜(ほうれん草・アーモンド)
マグネシウムには、骨の成分で、血圧を調整する役目があります。
多く含む食べ物は、ほうれん草、大豆、納豆、小豆、ひじき、アーモンド、ピーナッツなど。
3.尿酸塩素結石の原因となる野菜・食べ物とは
- レバー類
- 白子
- 一部の魚介類(エビ、イワシ、カツオ等)
- 干し椎茸
体の細胞が新しく入れ替わる際に「プリン体」という成分が作られます。
プリン体は分解されたのち、老廃物は「尿酸」となり尿に混ざって排出されます。
尿酸は水に溶けにくいため結晶になりやすく、尿酸が増えると結石ができやすくなります。
できやすい犬種は、ダルメシアン、ヨークシャーテリアなど。
プリン体を多く含む食べ物(レバー・魚介類)
プリン体を多く含む食べ物は、レバー類、白子、一部の魚介類(エビ、イワシ、カツオ等)、干し椎茸などがあげられます。
飲み物では、地ビールや紹興酒に多く含まれています。
4.シスチン結石の原因となる野菜・食べ物とは
- 食パン
- サラミ
- ボンレスハム
- おやつのビーフジャーキー
シスチンはタンパク質を構成するアミノ酸の一種で、髪の毛や爪に多く含まれます。
シスチンは腎臓で再吸収されますが、先天的な代謝障害があると再吸収がうまくいかず、尿のシスチン濃度が濃くなり、結晶化して結石ができたものがシスチン結石です。
ナトリウムを過剰に摂取すると、カルシウムの結晶化の原因となり、結石再発の危険因子となります。
ナトリウム多く含む食べ物(食パン・サラミ)
ナトリウムを多く含む食べ物は、食パン、サラミ、ボンレスハム、おやつのビーフジャーキーなどがあげられます。
尿路結石の予防に最適な食事&ドッグフードとは
尿路結石の原因となる食べ物を控えることで予防することができます。
症状を緩和したり、再発予防のためのフードが販売されています。
尿が酸性かアルカリ性かを調べてから、食事の見直しをしてみてください。
1.結石の種類に応じて食事で尿のphを調整
尿は食べ物によりph(酸性・アルカリ性の度合い)が変わります。
尿が酸性かアルカリ性かによってできる結石が違うので、食事でphをコントロールすれば、再発を防ぐことができるんです。
2.尿石症管理用フードを使用する
尿石症管理用フードでおすすめは、みらいのドッグフード【薬膳】特別療法食KE(結石・膀胱炎用)です。
結石に悩むワンちゃんのためにミネラルバランスやph度が調整されたフードであり、健康維持にも適した栄養素が沢山含まれています。
犬の結石の大部分を占める、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の両方に対応しています。
健康第一で考えるならイチオシのドッグフードです。
3.水分を多く摂取して細菌増殖を防ぐ
水分を多く摂取することで、尿路に侵入した細菌を体外へ排出したり、細菌の増殖を防ぐことが可能です。
4.手作り療養食で尿路結石対策をする
手作りのよさは、犬の健康状態に合わせた食材選びができることです。
日ごろから犬に食べさせてはいけないもの、必要なもの、必要な成分量を守っておけば尿路結石対策におすすめです。
定期的な健康診断を受けさせ、体重や体型管理をしてあげてください。
一番大事なのは獣医さんと相談して食事でケアすること
医食同源といいますが、日頃からバランスの取れた食事を摂ることが病気の予防や治療につながります。
獣医さんに相談して、正しい食事の管理をしてあげましょう。
犬のphを下げる食べ物・成分、尿路結石の予防&対策まとめ
- クランベリー
- メチオニン
- オメガ3脂肪酸
ワンちゃんは人間と比べて、尿路結石が起こりやすい生き物です。
栄養バランスが偏った食事や、特定の栄養素ばかりを摂取しすぎると、尿路結石の原因となってしまいます。
普段から栄養バランスの良いドッグフードを与えることが、尿路結石から愛犬を守ることにも繋がります。
ただ既に尿路結石になってしまった場合は仕方がないので、尿石症管理用フードを使用を考えてみてくださいね。
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