最近、犬の目や耳の中が赤い!執拗に同じところを掻いている!といったことはありませんか。
それはもしかしたら、アレルギーによる症状かもしれません。
犬のアレルギーの症状として代表的なものは皮膚の疾患ですが、鼻水や咳・くしゃみ、下痢や嘔吐といった場合も、アレルギーが考えられます。
アレルギーは、早めに発見して治療することにより、治癒することもあります。
ブラッシングの時、スキンシップの時、アレルギーの症状がないかしっかり観察してあげましょう。
目次
注意!犬のアレルギーの9つの症状
犬のアレルギーとして考えられる9つの症状をあげてみました。
次のような症状が続く場合は、アレルギーの場合が考えられます。
1.目・耳・口・股周りが赤くなっている
犬の皮膚が常に赤くなっている場合は、アレルギーが考えられます。
食後ではないのに、絨毯に口を擦り付けたり、執拗に耳や口をこすりつけていませんか。
アレルギーによる皮膚の疾患は痒みを伴うので、名前を呼んでも振り向かないほど掻くことに集中している場合は、アレルギーによる皮膚炎を考えてあげましょう。
目に現れるアレルギーは、充血、黄色い目やにが出る、涙が多くなった、というような症状です。
また、痒みを伴いますからしきりに目をこするしぐさをします。
目の周りが赤く腫れ、腫れた部分の毛が抜けるといった症状も出てきます。
2.体を痒がる(アトピー性皮膚炎)
犬にもアトピー性皮膚炎があります。
アトピー性皮膚炎はアレルギーの原因となる「アレルゲン」が、犬の皮膚や呼吸器を通して体の中に入っておこります。
「アレルゲン」は、カビ胞子、ダニ、フケ、花粉などのハウスダストで、猛烈な痒みを伴うため、発症した部分を掻いたり、噛んだりして悪化させてしまうことも。
アトピー性皮膚炎が発症しやすい場所は、指の間、手首足首付近、マズル、目の周辺、結膜、腋(わき)の下、腿(もも)の付け根、耳介、下腹部、肛門周辺などです。
ひどくなると、皮膚が乾燥したり、ただれや膿皮症、慢性的な外耳炎や結膜炎を引き起こす原因になります。
3.大量のフケが出る
フケは代謝の過程で古くなった皮膚がはがれたものなので、たくさん出るようになったらアレルギーではと疑ってみるサイン。
犬の場合、外的要因によってフケが増える原因には、細菌感染、真菌感染、寄生虫感染、アレルギーなどがあげられます。
とくに、アレルギーの原因がダニによる場合は、大量のフケが出るのが特徴で、強い痒みを伴います。
白い粉のようなフケにはダニの死骸が混ざっている場合もあるので、飼い主さんの二次感染も気を付けなければなりません。
4.下痢・嘔吐
アレルギーが原因で下痢や嘔吐を繰り返すという場合もあります。
このような症状が起こるのは、ドッグフードにアレルゲンが含まれていることが原因。
体調を崩したりつまみ食いをして下痢や嘔吐を起こすことはありますが、繰り返すようならアレルギーが原因ではと考え、ドッグフードの原材料を確認してみてください。
5.抜け毛が多い
犬種によっては春秋に毛が生え変わるので、お掃除が大変な時期がありますね。
アレルゲンが原因のアトピー性皮膚炎の場合、激しいかゆみのため犬が体を舐めたり掻いたりして、抜け毛が多いという症状も出てきます。
抜け毛が多くなり、部分的に脱毛したり全身に脱毛が見られるケースもあります。
6. 外耳炎を繰り返す
耳の中が臭いとか皮膚が赤いとか、茶色や黒色の耳垢があるのが外耳炎ですが、その原因は耳ダニ、細菌の感染、真菌(カビ)の感染、異物の混入、腫瘍などがあります。
犬種を問わず、子犬の頃から外耳炎を繰り返す原因として最も多いのがアレルギーです。
これは、食べ物に対するアレルギーの場合や、花粉やハウスダストなどに対するアトピー性皮膚炎の場合もあります。
7.足の裏や指の間を弄っている
犬が足の裏や指を弄る理由は、癖や暇つぶし、あるいは飼主さんにかまってほしいといった場合が多いのですが、執拗になめ続ける場合はアレルギーを疑いましょう。
指の間や肉球の間が赤くなっている場合は要注意。
ノミやダニが原因でアレルギーを起こし、痒みや痛みを発症し、肉球を舐めたり噛んだりすることもあります。
全身の皮膚や目の周りを見て、皮膚炎を起こしていたり、脱毛がないかチェックしてみましょう。
8.咳やくしゃみ
咳やくしゃみが長く続く場合、一番疑われるのが鼻炎です。
アレルギーによる鼻炎は、散歩中に臭いを嗅いだりして、花粉や植物の種などが鼻の穴から入り炎症を起こすことが多いです。
咳やくしゃみ続くと犬にとってもつらいし、鼻水が出たり目の充血やかゆみも同時に引き起こすことが多いので、早めに治療してあげましょう。
慢性的な鼻炎になってしまうと、副鼻腔炎(ふくびくうえん)を起こして鼻詰まりがするなどさらに辛い思いをさせてしまいます。
9.鼻水が止まらない
犬にも花粉症などのアレルギー症状がみられることがあります。
透明の鼻水をぽたぽたと床に落としたり、目の充血、目をかゆがる、鼻の周りが腫れているなどの症状がみられたら、アレルギーかもしれません。
また、鼻水が止まらない原因には食物アレルギーも考えられます。
食物アレルギーの場合は、耳や口の周りの皮膚が腫れたり、全身のかゆみ、皮膚が赤くなったりすることもあります。
犬のアレルギーの症状はいつまで続くの?
アレルギーの症状は、出始めのころは季節によって症状が出たり出なかったりします。
徐々に症状が出る期間が長くなっていき、最終的には通年性になるということも。
外的要因によるアレルギーであれば環境を改善し、食物によるアレルギーであれば原因になる食物が入っていないフードに変えるなどして、原因となるものを取り除くことで改善することができます。
症状を繰り返えす慢性化を避けてあげましょう。
犬のアレルギーの原因は食物アレルギーとノミが多い
犬のアレルギーの原因は食物とノミが多いということを知っていますか。
ノミのアレルギーは、ノミが血を吸うときに犬の皮膚の中に注入する唾液に、犬がアレルギー反応をして皮膚炎を起こします。
ノミは季節に関係なく生息しているので、何よりも犬にノミを寄生させないことです。
室内をこまめに掃除したり除菌をして、ノミが生息しない環境を作ったり、ノミを退治する薬剤を犬に定期的に使用してあげるとノミ対策になります。
犬の体にノミが付いていないかチェックすることもお忘れなく・・・
食物のアレルギーは、ドッグフードに含まれている、牛肉・乳製品・小麦・仔羊肉・鶏肉・鶏卵・大豆・とうもろこし、スパイスや添加物が原因で起こるとされています。
ドッグフードを変えることで涙やけがなくなったり、耳をよく掻いていた犬が掻かなくなったという事例も。
食物によるアレルギーは、アレルギーの原因になっている食物が入っていないドッグフードを与えることで改善することができます。
犬の食物アレルギーの原因になりやすい8つの食べ物
食物アレルギーを起こしやすい、牛肉、鶏肉、子羊肉(ラム肉)、大豆、とうもろこし、乳製品、小麦、鶏卵の8つの食材についてまとめてみました。
1.牛肉
牛肉はたんぱく質や脂質の含有量が多いので、効率よくカロリーが摂れるという点で、ドッグフードに良く使われている原材料です。
アメリカ、コーネル大学獣医学部のキャサリン・A・ハウプト教授によると、犬が一番好きな肉は牛肉だとか。
牛肉のエキスを配合すると食いつきがいいという説もあります。
2.鶏肉
肉の中でもたんぱく質の含有量が多いのが鶏肉です。
鶏むね肉(皮なし)だと100g中24.4g、脂質量は1.9gと少ないのと、価格が安いという点でドッグフードやおやつの原材料によく使用されます。
原材料として使用されている「鶏脂」、「家禽油脂」などの動物性脂肪もアレルゲンだと考えられています。
3.子羊肉(ラム肉)
ラム肉は、アレルギーになる可能性が少ないということで、最近ドッグフードに使われることが多くなりました。
特に目立った栄養素はありませんが、犬に必要な栄養素は含まれています。
原材料として使われるようになった理由の一つとしては、犬が今まで食べたことがないからというのがあるようです。
しかし続けて食べることでアレルギーになるという側面があります。
牛肉や鶏肉は大丈夫でもラム肉に反応してしまう犬が増えてきているのも現状です。
4.大豆
ドッグフードには栄養成分の調節や、ダイエット効果をあげるために、大豆の搾りかす・おからが使われている場合があります。
大豆に含まれるトリプシン・インヒビターという成分がアレルギー、皮膚疾患を起こす原因だと言われていますが、長時間加熱すると毒性はなくなるそうです。
つまり豆腐、納豆、おから、豆乳のように、加熱や発酵をされているものは与えても大丈夫だということになります。しかし、過剰摂取はアレルギーの原因になります。
5.とうもろこし
犬は、穀物を取りすぎるとアレルギーになりやすくなります。
とうもろこしはアレルギーを起こすだけでなく、消化器にも大きな負担をかけるので、できれば避けたい食材。
市販ドッグフードにはとうもろこしが多く配合されている場合が多いので、愛犬にアレルギーが疑われる場合は、アレルギーの検査をしてみてください。
6.乳製品
乳製品は、ドッグフードやおやつの原材料によく使われ、チーズ味やミルク味といったフードがたくさん出回っています。
たんぱく質とカルシウムの供給源としてだけではなく、ビタミン類も含んだ優れた食材です。
アレルゲンとなるのは、αカゼインというタンパク質です。
ドッグフードの原材料欄には、乳製品、乾燥ミルク、脱脂粉乳、チーズ、ミルク、ホエイ(乳清)、カゼインというような記載がされています。
7.小麦
小麦でアレルギーを起こす原因は、接触機会とグルテンだと言われています。
ドッグフードの原材料に含まれていれば、接触機会の多くなりアレルゲンになりやすいと考えられています。
小麦はグルテン(穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種)の含有量が高いことです。
犬は小麦グルテンを消化するための消化酵素を持っていないので、消化が苦手。
消化器官に負担を掛けてしまい、アレルギー反応を起こしやすくなります。
8.鶏卵
鶏卵は、ビスケットやボーロなどのおやつに使われています。
高タンパクで栄養価の高い鶏卵ですが、生卵の白身に含まれているアビジンというたんぱく質が、犬の皮膚や神経を正常に保つ役目をする「ビオチン」(ビタミンB郡の1種)の吸収を抑制してしまうと言われています。
ゆでると大丈夫といわれていますが、卵アレルギーの愛犬には控えてください。
食物アレルギーを避けるにはドッグフードが一番
食物アレルギーは、原因となる食材が含まれていないドッグフードに変えることで改善することができます。
しかし、犬のアレルギーは食材だけではなく、添加物で起きることも多くあります。
日本のドッグフード界はアメリカやヨーロッパと比較するとかなり規制が緩いので、危険な人工添加物が配合されているものあります。
アレルギー対策はもちろんのこと、人工添加物が含まれているドッグフードを与えることは避けたいものです。
愛犬がアレルギーにならないよう、グレインフリー(穀物不使用)、無添加のドッグフードへの変更も検討してみる必要があるのではないでしょうか。
アレルギーの症状かもと思ったら獣医さんへ
アレルギーの症状かもしれないと思ったら、素人判断で市販の薬や塗り薬を使用するのはやめましょう。
アレルギーによる疾患は、症状を引き起こしている原因を断つことで治癒することができます。
症状が出ているか原因は何か、アレルギーによるものか他の要因によるものなのか、獣医さんにきちんと判断してもらうことが大切。
動物病院では『抗体価検査(ある特定の病原体に感染したことがあるかどうかを 調べる検査)』や『食物除去試験(アレルギーの原因が、食物アレルギーであることを確認)』などで原因を調べることもできます。
愛犬がどのようなアレルゲンに反応するのか予め知っておくと、辛い思いをさせなくて済むかもしれません。
犬のアレルギーの予防法
アレルギーの予防方法はアレルゲンの特定をして、その原因を徹底的に除去すること。
一番手軽なのはアレルギーになりやすい原材料を使っていないアレルギー対応したドッグフードに変更。
ノミ・ダニアレルギーなら掃除を徹底し、定期的にノミ予防薬・駆除薬をやることが大切です。
犬のアレルギーの治療法
食物アレルギーの場合はアレルゲンを取り除くことが治療につながります。
食生活の見直しとともに、皮膚などに発症している場合は抗生物質や抗真菌薬の投薬治療をおこなうことも。
一時的にかゆみ止めや抗炎症薬の投与がされることもあります。
犬のアレルギー症状・原因まとめ
皮膚炎や鼻水などの症状が出た場合、アレルギーなのか他の要因によるものか、普段から犬をよく観察することです。
食事の時、散歩の後、ブラッシングの時・・・犬と接触する機会に、どのタイミングで舐めているか。
回数は?場所は?舐めている場所の症状は?など観察することが改善の第一歩になります。