動物には毛が生えかわる換毛期と呼ばれる時期があります。
元々、抜け毛の多いワンちゃんは更に多くなり、あまり抜け毛のないワンちゃんでもこの時期になると抜け毛が一気に増えます。
時期は、春と秋。
その原因や対策についてまとめていますので、抜け毛にお悩みの飼い主さんは必見ですよ。
目次
犬の抜け毛の4つの原因
- 換毛期
- ブラッシング不足
- 病気
- 精神的なストレス
犬の抜け毛の原因は一体何なのでしょうか?
代表的な4つの原因について見ていきましょう。
換毛期
換毛期とは、私たち人間で言うところの衣替えのようなものです。
気候に合わせて被毛の厚さを変えるために調整をします。
夏毛から冬毛に変わる時と、冬毛から夏毛に変わる時の2種類があり、時期が春と秋になるという訳です。
完全室内飼いのワンちゃんも増えているので、換毛期にも抜け毛が落ち着いているということはあり得ます。
ブラッシング不足
ブラッシングをする習慣があれば、さほど抜け毛は気にならなくなるのですが、これを怠ると抜け毛に悩まされてしまうでしょう。
ブラッシングをしておくことで、事前に抜け毛を取り除くことができるからです。
抜け落ちる前に、ブラッシングをしてあげると随分変わってきます。
病気
一部分だけ脱毛しているような抜け毛は注意が必要です。
ダニなどが寄生している場合やアトピー性皮膚炎の可能性も考えられます。
病気による皮膚炎を起こしている場合は、かゆみも伴うため、愛犬の様子を観察してみましょう。
皮膚炎かもしれないと感じたら、早目に病院へ連れて行ってあげてください。
精神的なストレス
犬も人間と同じようにストレスを感じることがあります。
強いストレスを感じて、円形脱毛症になるということがありますよね。
それと同じなんです。
検査をしても特に異常がなく、皮膚も正常な状態でただただ脱毛しているような場合は、ストレスによるものと考えて良いでしょう。
犬の抜け毛の原因として考えられる7つの病気
- パターン脱毛症
- 甲状腺機能低下症
- 感染性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏症
- アロペシアX
抜け毛の原因には、病気が潜んでいるケースもあります。
考えられる7つの病気について見ていきましょう。
パターン脱毛症
パターン脱毛症は、未だに原因が解明されていません。
先天的な遺伝要素が強いと言われています。
しかし、そのメカニズムについては不明です。
左右対称に脱毛する病気で、フケやかゆみなどの症状は一切ありません。
また、残っている毛の毛根は割としっかりしています。
どんどん毛が薄くなってしまうため、見た目の問題もあり、治療が行われるのが一般的です。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症とは、甲状腺の機能が弱くなってしまうことによって発症する病気です。
甲状腺は喉にあり、ここから分泌される甲状腺ホルモンは代謝を上げる働きを果たしています。
体温が低下するため寒さに敏感になったり、むくみなども生じます。
左右対称に脱毛するのも特徴的で、その部分が色素沈着してしまうこともあります。
感染性皮膚炎
何らかの細菌に感染すると、紅斑や膿疱などの症状が現れます。
激しいかゆみに襲われると共に、毛も抜けてしまいます。
皮膚や脱毛の状況を確認すれば、それが異常であるということはすぐに分かるはずです。
アレルギー性皮膚炎
アレルギーによって起こる皮膚炎には2種類あります。
まずは、食事によるものです。
ドッグフードに添加物や穀物が含まれている場合、アレルギー症状を引き起こしやすくなってしまいます。
もう一つは、生活環境によるものです。
ハウスダストなどの生活環境が起因して皮膚炎を起こし、かゆみや脱毛などの症状が現れることがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因は、遺伝的要素の強い先天的なものと、生活環境によるものとの2種類があります。
いずれにしても、一度発症すると完治は難しく、強いかゆみを伴うこともあるので薬を使いながら上手く向き合っていく必要があります。
脂漏症
皮脂の分泌が過剰になるなど、新陳代謝のスピードが異常に速くなっている場合、脂漏症である可能性があります。
寄生虫やアレルギーが起因している場合と遺伝的な場合があり、いずれの場合も皮膚がベタついたり、悪臭がするなどの症状が出ます。
毛が抜けることもあり、ワンちゃんにとっては辛い状況となってしまうため、早目の対処が必要です。
アロペシアX
アロペシアXは、原因が解明されていない脱毛症のことです。
トイプードルやポメラニアンといった一部の犬種に見られます。
原因が分からない以上、特効薬もありません。
かゆみはありませんが、脱毛だけではなく被毛や皮膚に潤いがなくなり、カサカサの状態になってしまいます。
特に毛が抜けやすい犬種はダブルコートの犬
ワンちゃんの中にも、特に毛が抜けやすい犬種というものもあります。
それは、豊かな被毛に覆われているダブルコートのワンちゃんです。
念のため、ダブルコートとシングルコートの違いについて見ていきましょう、
シングルコートとダブルコートの違い
- トイプードル
- マルチーズ
- フレンチブルドッグ
- ヨークシャーテリアなど
- ミニチュアダックス
- チワワ
- ポメラニアン
- 柴犬
- ゴールデンレトリバーなど
犬種にもよるのですが、犬の被毛は二重構造になっています。
上毛がオーバーコート、下毛がアンダーコートです。
分かりやすく言うと、オーバーコートは皮膚を守るために硬くて太い毛で覆われていて、アンダーコートは保湿や保温の効果を発揮するために柔らかい毛で覆われています。
オーバーコートとアンダーコートの両方の毛が生えている犬をダブルコートと言い、アンダーコートがない犬のことをシングルコートと言います。
シングルコートには換毛期がありませんが、ダブルコートには換毛期があるため、抜け毛に悩まされてしまいます。
犬の抜け毛対策・お手入れ方法
換毛期には特に頭を抱えてしまうワンちゃんの抜け毛。
どのような対策が有効なのでしょうか?
お手入れの方法についてもまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください!
ブラッシング
一番有効な対策としておすすめののがブラッシングです。
抜け毛は体にまとわり付くので、その前に取り除いておけばお手入れが楽になります。
また、抜け落ちた毛が毛玉になることも防げますよ。
薬用シャンプーで対策をする
薬用シャンプーには、名前の通り薬用成分が配合されています。
皮膚があまり強くないワンちゃんにもおすすめです。
しかし、それでもやはり合う合わないがあるので、様子を見ながら良さそうなシャンプーを見つけてあげてください。
荒れた皮膚を保湿ケア
皮膚が乾燥するとターンオーバーのコントロールが上手くいかなくなるため、抜け毛の原因にもなってしまいます。
皮膚の潤いを守るためにも、ワンちゃん用のクリームなどで保湿ケアをしてみてください。
トリミング
トリミングをして全体の毛量をスッキリさせれば、抜け毛の量も必然的に減ります。
ただし、アレルギーなどである程度の被毛があった方が良い場合もあるので、きちんとカウンセリングを受けてから試してみるようにしましょう。
服を着させる
洋服を着せることで物理的に抜け毛が飛び散らない状態にしてしまうのも一つの方法です。
服を嫌がる場合もあるので、嫌がらない場合だけ実践してみてくださいね。
ドッグフードを変えてアレルギー対策する
穀物や添加物が入ったドッグフードは、アレルギー反応を引き起こすため、抜け毛の原因になります。
無添加でグレインフリーのものを選び、抜け毛対策をしましょう。
最近はアレルギーが出にくい魚系ドッグフードの種類も豊富に販売されていますよね。
ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
7.通院して病気の治療をする
抜け毛の原因が病気である場合も十分に考えられます。
きちんと通院をして病気を完治、または改善できるようにサポートしましょう。
少しでも様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院に連れて行ってください。
換毛期の部屋の掃除に便利な4種類のグッズ
換毛期は、抜け毛の掃除に追われて飼い主さんも大変ですよね。
そんな時に便利なお掃除グッズを4つご紹介します。
コロコロ
どのご家庭にも一つはあるかもしれませんね。
カーペットやソファ、洋服などにも使えるのでとても便利です。
使い捨てなので、衛生面でも心配ありません。
フローリング用ワイパー
フローリング用のワイパーは、掃除機をかけるまでもない時や時間がない時にササッと掃除できるので重宝します。
ウェットタイプやドライタイプなど、シートを替えて使うことができます。
セーム革
あまり聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、抜け毛の掃除にはセーム革が便利です。
小鹿の革を使っていて、植物性の油でなめして作られています。
セーム革を湿らせて床掃除をすると、抜け毛が舞い上がることなく綺麗に拭き取れます。
ファーリムーバー
カーペットやソファなどに抜け毛が入り込んでしまってなかなか取れないという場合に活躍してくれるのがファーリムーバーです。
軽い力で抜け毛を集めることができ、手軽に綺麗になりますよ。
犬の抜け毛対策まとめ
換毛期のほか、病気などでも抜け毛が起こることが分かりましたよね。
病気であれば根本から改善してあげる必要があります。
便利なお掃除道具に頼りながら、愛犬とのより良い生活を楽しんでくださいね。